アレルギーのなかでも、食物アレルギーは「食物によって引き起こされる抗原特異的な免疫学的機序を介して全体にとって不利益な症状が惹起される現象」と定義されています。
つまり、食物アレルギーとは、食物を摂取したときに過敏性のある人に限って引き起こされ、その際に免疫的な関与が明らかな場合のことをいいます。食中毒は摂取したほとんどの人に引き起こされるため、この範疇からは省かれます。
「食物アレルギーがあるかもしれない」との疑いを持つときには、次のような場合があります。
<食物アレルギーの疑いを持つとき>
- 生後6カ月前からのしっしんが、標準的な皮膚科治療を行っても治りにくい場合
- 何かを食べてじんましんや咳、不機嫌などの症状を経験した場合
- 両親や兄弟に、食物アレルギーがある場合
そして、診断は次のように行われます。
<食物アレルギーと診断するとき>
- アレルギーの原因となる食べ物を知らずに食べてしまい(誤食)、症状が出た
- アレルギー検査(多くは、血液検査lgE-RAST法など)が陽性
- 原因と考えられる食物を食べさせてみて症状が現れた(食物負荷試験)
このうち、3.の食物負荷試験による診断が、もっとも信頼できる食物アレルギーの診察根拠と考えられています。
出典:『食物アレルギーの基礎知識』
発行:(株)日本食糧新聞社
NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク